2019年12月22日日曜日

愛らしい負荷

phot/⭐︎



先日、8ヶ月のBebeを抱っこした時の事


手首に10キロの重みを感じながら
抱き上げると
楽しげにパタパタ手足を動かす


その度、私の身体は
右往左往に小舟のように揺れる


だけど足元は10センチのハイヒール
グラリ揺らぐと危険きわまりない


今こそ!と喝を入れ
ポイントとなる身体のバランスを探り
秒殺で軸を立て直し


bebeをあやしながら立っておりました
(心中は必死でした笑)


ビチビチと魚が跳ねるような
愛らしい動きのBebeを抱いていると
Tiffanyを思い出した


胸に抱く柔らかで暖かな存在の
あどけない笑顔を見ていると


その可愛いさにトロけてしまい
腹筋までトロけてしまう


すると、その途端
エビのように背中が反り
骨盤がグニャリと倒れる


ビル崩壊のように
身体のバランスは瞬時に消えゆく


そしてハッ!とまた
秒殺で軸を整えて
キリキリ腹筋を引き上げ


そんな事を繰り返してたら
ママンが戻りbebeとお別れし



さてと、脚を前へ運び
歩き出すと
思わず立ち止まるほどに
膝の筋肉が鍛えられていた



ハイヒールとbebe


その愛らしい負荷は
強靭な筋肉を作ってくれた



9Neuve 貴子

2019年12月16日月曜日

耳を澄ませば



長崎から海を渡り



友達が住む天草へ行き
友と高千穂へと旅へ出ておりました


冬の高千穂は初めて
どんな景色なんだろうなと思っていたら



まだ紅葉が残る最後の秋があり
そこは宮崎 九州の南でした


穏やかで静寂な空や森は
明日はもう冬なのかもしれないと


自然の中でポツンと
心地よい寂しさを感じたり




車を止めて素敵なカフェで
フウフウとコーヒーを飲んで
柔らかな日差しの中まったりと過ごしていた








高千穂には数々の神社があり
パワースポットとして有名ですが


霊感がビリビリ!というタイプでもなく
ただただ気持ちが良く
すこぶるご機嫌になるので



土地のパワーをたっぷり頂戴している


高千穂巡り3度目はシンプルに
高千穂神社・秋元神社の
2箇所へご挨拶へ行ってきました


ご機嫌さんコンビの我々でも
「秋元神社」は何かが違うと感じる場所


ここは拝殿が鬼門を向いており
奥宮と言われ



裏の岩山は山伏の修行の場だっだそう
ピーンとした張り詰めた空間が広がる


12月はヘビは眠っているから大丈夫だと
一人で獣道を登り奥まで行くと



風の音がゴウゴウと鳴っていた


でも嫌な感じはないので
しばらく風音に耳を澄ませていたら
頭がスッーとスッキリした


その風は鬼門へと流れており
気が強い空気をたっぷり浴びて



邪心が消えたのかもしれない




「脇目を振らず正直に働いて
 信神怠りなければ 

 自ずから幸福が訪れる」

おみくじの言葉がとても心にしみた






そんな旅を終え
また海を越えて長崎へ戻ると


パソコンの療養も終わり
11月からギクシャクしていた物事が
ゆるりと動き出した


あの時の風の音は
今でも耳の奥から
聞こえてくるよう覚えている


時々、立ち止まり
風の音を思い出そう


9Neuve 貴子














2019年12月15日日曜日

45分のPARIS



11月のExchangeのお相手
Belle passion yukikoさんには



豊かで凛とした空気が流れており
それは45分のParisだっだ



これがエネルギーの共鳴なのだろう

「今、美しい」と



胸のあたりが柔らかくなるような
高揚感を感じると



ルーブル美術館で1日を過ごし
満ち足りた帰り道



知人宅の
古いシャンデリアから
キラキラと溢れる光の陰影


寒い冬、カフェテラスの席で
光を浴びながら
猫のように目を細めていた時間


地下鉄の階段を上がり

目の前に広がるパリの美しさに


息を呑む瞬間



Parisの記憶の残像が脳に
ハラリ、と何度が浮かんだ




yukikoさんの美しく強いエネルギーは
私をグッと引っ張りあげてくれた



レッスンではじっくりと丁寧に
身体のポジションを見てもらい



自分でも驚くくらい
久方ぶりに身体も状態が良くなり


レッスン後半のハードさも

清々しい充実感が溢れていた



その秘密は先日のブログに綴られており

『2019年素晴らしきオートクチュール ②』





yukikoさんの美しさは
より先へと、もう向かっている




美しい豊かな45分のParis に
感謝を込めて



merci beaucoup yukikoさん 


9 Neuve  貴子

2019年12月2日月曜日

お口の中の記憶








この時期、スーパーで白菜を見かけると



お口の中がウルっと潤ってしまう
今年もあの時期は終わったかしら


それは、11月末の韓国風物詩「キムジャン」


韓国ではこの時期に
一年分のキムチを一斉に漬ける




キムジャンが終わった頃に
ソウルの市場でキムチを買うと
古いのと新しいのを分けて包んでくれる




酸味がある古いキムチは
チゲにするとこっくりと深みが増し




漬けたてほやほやキムチは
日々、味が変化するのが面白い
食べ出すと止まらない





と記憶を巡らせていると
冬のフランスの食べ物だってと
ゴクリお口の中がせわしくなる





冬はドイツに近い北の方の
コッテリとした煮込み料理が
たまらなく美味しい
バリエーションは鴨・ラパンかしら




ラパンは柔らかく淡白なので
ポトフに料理していた
脂身が少なくムチっとして食べやすく
なかなかよい出汁がでます




オススメなのは
フライドチキン風『フライドラパン』


これはキリッとした白ワインとご一緒に



冬の食べ物の思い出は
悩ましいほどだけど
なんだかニッコリとしてしまう


寒さが厳しければ
厳しいほど
冬の食べ物は楽しいですね


9 Neuve 貴子









2019年11月26日火曜日

香りのポートレート




どんな香りを愛するか
これまで、どんな香りを愛してきたか





以前は、香りを選ぶ時
パッケージやボトルの形・広告を見てから
私は視覚から覚醒していました



やおら嗅覚も成熟してきたようです
どうしようもなく惹かれる香りに出会うと


その世界に感情を揺さぶられぱなしに
なるようになったのです




記憶の中の香りを想うと
香りが織りなす層を愛しく感じ



それはもう音楽や絵画と同じように


芸術なのだと知るようになり
香りを纏う瞬間、謙虚な気持ちになりました




その時、どんな香りを愛したのか
それが本能であり直感なのだろうか



日本ではさほど話題にならないが
ヨーロッパでは調香師の存在はとても偉大で



新しい香水が発表されると
誰が調香したのか注目されます



新進気鋭の調香師が現れると
誰に師事し、誰がメンターなのか


そして、どんな幼少期を過ごし
香りの創造性を養ったのか
生い立ちまでアプローチしながら



調香師の持つ創造性や個性を知る



どんな香りとして表現しているのか
どんな香りの旅をさせてくれるか



目に見えない嗅覚の世界観を楽しむ
醍醐味はいつの時代も変わらない





「ずっとゲランのシャマードだけを愛してた私が


 フレデリック・マルに出会い
 不貞を犯すようになりました」



カトリーヌ・ドヌーブが賛辞を送った相手は
調香師フレデリック・マル






フレデリック・マル2019年発売の
「ROSE& CUIR」薔薇と棘




このパフュームのストーリーが
非常に美しくエスプリに満ちているので

youtubeでご覧下さいませ→
https://www.youtube.com/watch?v=Q4d5MU6fWDU
(フランス語か英語です)





薔薇と棘の香りは
どんなドラマを表現してくれるのでしょう



でもローズは使用してないそう!




9Neuve 貴子



2019年11月21日木曜日

身体からの沈黙



今朝は、ストレッチをしても
深い川底のように身体が冷たい



背中は岩山のようにゴツゴツ硬いまま


そこでカッピングをする事にした



今「?」怪訝な顔になった方
そうですカッピングです



真空状の丸いカップを皮膚につけて
ギューと吸引し血流やリンパの流れを
スムーズにするアレです








体質に合う方には
冬の血行不良にオススメです



ソウルの薬局で
「プハン イッスムニカ?」と言うと
家庭用セットが2500円程で購入できる



見た目より丈夫に作られており
かれこれ7年愛用している




背中から腰、お腹までまんべんなく吸い
赤い水玉ボディーとなりました



奇妙なビジュアルはさて置いて・・・



赤色のくすみ具合で
血行不良の濃度が一目瞭然


赤紫の玉 →肩甲骨辺り
      背筋が入らない




濃い赤の玉→脇腹から腰周り
      骨盤が倒れ始めた証拠




どうりで膝のプッシュが浅いワケで
自分の歩き方と答え合わせもできた




一眠りし夕刻、目が開くと



フッと背中の気が緩やかに流れ出した
つつましい開きの肩甲骨も


パチリとお目覚めになった



身体が沈黙している時こそ
耳を澄ませなきゃ
とカッピングの箱を閉じた




9 Neuve 貴子