2019年12月2日月曜日

お口の中の記憶








この時期、スーパーで白菜を見かけると
お口の中がウルっと潤ってしまう
今年もあの時期は終わったかしら


それは、11月末の韓国風物詩「キムジャン」


韓国ではこの時期に
一年分のキムチを一斉に漬ける


キムジャンが終わった頃に
ソウルの市場でキムチを買うと
古いのと新しいを分けて包んでくれる


酸味がある古いキムチは
チゲにするとこっくりと深みが増し


漬けたてほやほやキムチは
日々、味が変化するのが面白い
食べ出すと止まらない



と記憶を巡らせていると
冬のフランスの食べ物だってと
ゴクリお口の中がせわしくなる




冬はドイツに近い北の方の
コッテリとした煮込み料理が
たまらなく美味しい
バリエーションは鴨・ラパンかしら


ラパンは柔らかく淡白なので
ポトフに料理していた
脂身が少なくムチっとして食べやすく
なかなかよい出汁がでます


オススメなのは
フライドチキン風『フライドラパン』
これはキリッとした白ワインとご一緒に



冬の食べ物の思い出は
悩ましいほどだけど
なんだかニッコリとしてしまう


寒さが厳しければ
厳しいほど
冬の食べ物は楽しいですね


9 Neuve 貴子









2019年11月26日火曜日

香りのポートレート




どんな香りを愛するか
これまで、どんな香りを愛してきたか



以前は、香りを選ぶ時
パッケージやボトルの形・広告を見てから
私は視覚から覚醒していたが
やおら嗅覚も成熟してきたようだ



どうしようもなく惹かれる香りに出会えば
その世界に感情を揺さぶられぱなしに
なるようになった



記憶の中の香りを想うと
香りが織りなす層を愛しく感じる


それはもう音楽や絵画と同じように
芸術なのだと知るようになり
香りを纏う瞬間、謙虚な気持ちになる


その時、どんな香りを愛したのか
それが本能であり直感なのだろう



日本ではさほど話題にならないが
ヨーロッパでは調香師の存在はとても偉大だ


新しい香水が発表されると
誰が調香したのか注目される


新進気鋭の調香師が現れると
誰に師事し、誰がメンターなのか


そして、どんな幼少期を過ごし
香りの創造性を養ったのか


生い立ちまでアプローチしながら
調香師の持つ創造性や個性が
どんな香りとして表現しているのか
どんな香りの旅をさせてくれるか

目に見えない嗅覚の世界観を楽しむ
醍醐味はいつの時代も変わらない




「ずっとゲランのシャマードだけを愛してた私が
 フレデリック・マルに出会い
 不貞を犯すようになりました」


カトリーヌ・ドヌーブが賛辞を送った相手は
調香師フレデリック・マル





そのフレデリック・マル2019年発売の
「ROSE& CUIR」薔薇と棘


このパフュームのストーリーが
非常に美しくエスプリに満ちているので
youtubeでご覧下さいませ→☆https://www.youtube.com/watch?v=Q4d5MU6fWDU
(フランス語か英語です)



薔薇と棘の香りは
どんなドラマを表現してくれるのだろう

(でもローズは使用してないそう!)



9Neuve 貴子



2019年11月21日木曜日

身体からの沈黙



今朝は、ストレッチをしても
深い川底のように身体が冷たい
背中は岩山のようにゴツゴツ硬いまま


そこでカッピングをする事にした



今「?」怪訝な顔になった方
そうですカッピングです


真空状の丸いカップを皮膚につけて
ギューと吸引し血流やリンパの流れを
スムーズにするアレです






体質に合う方には
冬の血行不良にオススメです



ソウルの薬局で
「プハン イッスムニカ?」と言うと
家庭用セットが2500円程で購入できる
見た目より丈夫に作られており
かれこれ7年愛用している



背中から腰、お腹までまんべんなく吸い
赤い水玉ボディーとなりました
奇妙なビジュアルはさて置いて・・・


赤色のくすみ具合で
血行不良の濃度が一目瞭然


赤紫の玉 →肩甲骨辺り
      背筋が入らない


濃い赤の玉→脇腹から腰周り
      骨盤が倒れ始めた証拠

どうりで膝のプッシュが浅いワケで
自分の歩き方と答え合わせもできた


一眠りし夕刻、目が開くと
フッと背中の気が緩やかに流れ出した


つつましい開きの肩甲骨も
パチリとお目覚めになった


身体が沈黙している時こそ
耳を澄ませなきゃ
とカッピングの箱を閉じた




9 Neuve 貴子


























2019年11月20日水曜日

菩提樹の下で



ASAMI PARIS 
ハイヒールのエクササイズビデオ②
「美しいハイヒールの歩き方」


購入したのは去年の夏
当時10センチのルブタンでは
歯が立たず身体はガクガク震える
サッと手を伸ばし動画停止していた


そうしてビデオは
パソコンのデスクトップで冬眠し
ダンマリとなっていた



あれから1年以上時間が経過し
さあ時期は熟したはずと軽やかに


12センチのミモザのルブタンに脚を入れ
意気揚々ビデオの再生ボタンを
久々にカチリと押した


結果 大層 厳しい
ガクンとうなだれ ミモザに問う
ミモザよなぜに・・・


「一つの動作を180回
 繰り返し行うと身体に染み付つく」


以前、自分で綴った言葉を思い出し
まずは180回続けてみよう
ミモザに問うのはそれからだ


エクササイズのビデオの27分30秒
身体が揺れてもヨロメいても
もう!と声を荒げず
ブウブウ文句は言わない


菩提樹の下で瞑想しているように
(いや、そんな事はした事ないのだけど)
ビデオのASAMIさんの声だけに集中する



本日11月20日晴れ 15回目
右の膝の筋肉がキリリと鳴った


12センチのヒールで見失っていた
膝の感覚が蠢くように
小さく少しずつ染み付き始めた


このエクササイズビデオには真理がある
残り165回


9 Neuve 貴子













2019年11月18日月曜日

オシャレの壺「靴のトレンド」


ここしばらくハイヒールトレンドは
つま先が細くとがった
『ポインテッドトゥ』(pointed toe)が主流


2017年からファッショニスタご愛用

Diorのロゴ入りストラップ付きのシューズ
「ジャディオール(J’ADIOR)」




人気のヒールの曲線が反った
キュッと絞った形のこのタイプは
「キトンヒール」と呼ばれます


しかし2019年はオートクチュール界でも
スニーカー押しの一年でした


その始まりは2014年
5年前のシャネルのコレクションでの事
故ラガーフェルド氏が発表した
クルーズコレクション


約3000ユーロのスニーカーが登場し
ファッション界は大注目したのです


ここからスニーカーは格上げされ
それはスタイルの可能性が広がった
と言われたのですが
今では見事に現実となりました


そしてフェミニズムやジェンダー定義が
論議される今だからこそ
ブランドは売れる物を的確に
提供しているなと感じます


しかしファッショントレンドって
気まぐれなもので

スニーカーブームを作った某ブランドが
違うスタイルコレクションを発表したりと
常に変化は始まっています


だからもうハイヒールの時代が
終わったわけでもなく
スニーカーが一時的なブームとも言えない



スニーカーが市民権を得たように
様々なスタイルの選択肢があり
強制ではなく自由を謳う今


女性がピンヒールも楽しむ
そんな選択肢も大いにあるのです



9Neuve 貴子

2019年11月15日金曜日

100歳のエスプリ






急な「赤ずきん業務」の為
福岡の祖母の元へ一走りしてきた


帰り際になると祖母は私を
頭から足の先まで、ふーんと見る
ファッションチェックしているのだ


オシャレで和裁が得意だった彼女の視線が
足元へと届いたら声高くザワメク


「危にゃー高か 転がるよ


ハイヒールを見ては毎回
真剣に心配なさる


うんうんと相槌を打ちながら
帰り仕度をしていた
しかし、ふと思い立ち
コートを脱いでビシッと立ち


「では、ゆきます」


フラミンゴのエクササイズを始めた
車椅子に座る100歳を
クライアントに見立て
説明付きバージョン


ホームの穏やかな午後の光景としては
恐ろしくシュールなひととき
誰も見てはいないけど


「はー、たまがったね(驚いた)」


弾けるように声を上げる100歳
しかし、ご納得頂けた


ならば12㎝のルブタンのフラミンゴを
見せたら何と言うのやら


美しいものに目がなかった彼女なら
ハイヒール哲学のエスプリに
ふーんと頷くかもしれない


まだ長生きしてほしいなと思う

9 Neuve 貴子


2019年11月11日月曜日

あの頃のトキメキを






Christian Loubotinの本店は
パリ1区「ギャルリーヴェロ・トダ」と呼ばれる
古いパッサージュの出口の角にある


パッサージュの市松模様のタイルを歩き
出口の前で一瞬足を止める
ココのディスプレイはとりわけ素敵


しばらく目を輝かせ
心を奪われポッとなり
パッサージュを後にしていた昔


そのトキメキの店こそが
Christian LoubotinのParis本店
あの一角は美しく煌めいていた


当時の目的は、パッサージュの中にある
「イルビゾンテ」でのお買い物依頼が多く
(Made in Italyだか日本より
 3割程お安く購入できた
在庫や価格チェックをするのが日課だった


美しい大理石の床を歩き
18世紀末のシックな装飾や
天井ガラスから降り注ぐ
柔らかな光を心地良く感じると
タイムスリップしているかのようで


時空を飛び越えるような
80メートルの古めかしい通りの最後で
キラッとトキメキの空間が出現する


そんなパッサージュをいたく気に入っていた


・・・しかし
Christian Loubotinには
足を踏み入れなかったのだ


もう、その頃の自分にクドクド
お説教したくなる思い出だけど


けれど、またあの通りに行き
今度はドアを開けるのだろうなと思うと
それはそれで楽しみでもある


誰かのお買い物ではなく
次は自分の為に
あのパッサージュを通り抜けてゆこう
角の赤い絨毯のお店へ


9Neuve 貴子